自立生活支援のスペシャリスト
作業療法士は、「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格です。
病気やけが、もしくは生まれながらに障がいがある方々に対して、以下の3つの能力を維持・改善します。
- 基本的動作能力(運動・精神機能)
- 応用的動作能力(食事やトイレなど生活に行われる活動)
- 社会的適応能力(地域活動への参加、就労、就学)

また、環境(人為的環境、物理的環境、社会的環境)の調整や、社会資源や諸制度の活用を促し、健康の維持・増進など、その人らしい生活の獲得を目標としたリハビリを行います。
作業療法士は主に4つの領域(身体障がい・精神障がい・発達障がい・高齢期)で活躍しています。今後高齢化が進むことが予想され、福祉分野でのニーズが高まっています。また、自立支援法の施行など、できるだけ自立した生活を送るための援助を行う作業療法士の役割は、今後益々重要になってくると考えられます。
理学療法士と作業療法士の違いは?
“作業療法は「からだ」や「こころ」に対して生活に必要な能力を与えます。”
リハビリテーションには大きく分けて“からだ”(身体障害)と“こころ”(精神障害)のリハビリテーションがあります。理学療法士は、身体に障害のある方々に対して、その基本的動作能力の回復を図るためのリハビリテーションを得意とし、作業療法士は、身体または精神に障害のある方々に対して、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るためのリハビリテーションを得意としています。
具体的には、理学療法士は「座る・立つ・歩く」というような大きな日常生活動作を対象とするのに対し、作業療法士はさらに細かい動作、例えば「文字を書く・髪をとかす・着替える」などの動作を対象としています。
理学療法士・作業療法士の就職先は、病院など医療施設をはじめ、介護老人保健施設などがあります。作業療法士は、それらに加えて精神・神経科病院や精神保健センターなども就職先となるのが特徴です。