動物介在療法という治療法をご存じですか?アニマルセラピーと聞くと、耳にしたことある方がいるかもしれません。実際にどのような治療を行い、どのような効果があるのでしょうか。 動物介在療法の中でも、馬介在療法に焦点を当てながら動物介在療法について紹介していきます。
目次
- 動物介在療法とは
- リハビリテーションと動物介在療法
- 馬介在療法とは?治療法と効果について
- 専門学校で動物介在療法を学ぶメリットは?
1.メリット1:学生のうちから動物介在療法に触れることができる
2.メリット2:馬を知ることでヒトの構造や行動が理解できる - どんなところで動物介在療法は行われているの?
- 作業療法士の資格取得後、動物介在療法を極めるには
- まとめ
動物介在療法とは
動物介在療法は、犬や馬などの伴侶動物と呼ばれる動物たちの力を借りて行われる治療法です。人の心身機能の回復や、意欲の向上やリラックス効果などの情緒的・精神的側面へのアプローチなどが期待されている補完医療のひとつです。動物介在療法の効果の検証も進んでおり、犬による動物介在療法では、痛みや疲労、イライラなどの感情が軽減され、落ち着きや喜びが増したという報告がされています。
また、高血圧症の患者がペットと過ごすことによって、血圧が上がりにくくなり、血液循環動態が安定したという報告もあります。 医療分野でも、効果が注目されてきている治療法です。
リハビリテーションと動物介在療法
動物介在療法を何らかの治療を受けている方に実施する場合は、医師や理学療法士、作業療法士、臨床心理士、看護師などの専門家の助言のもとに行われることが原則とされています。理学療法士や作業療法士などのリハビリテーション専門職が動物介在療法を行うことで、前述したリラックス効果だけでなく、身体機能やバランス機能の向上などを期待することができます。 また、動物のお世話を通し、やりがいや達成感を得られることで、社会とのつながりのきっかけ作りにも生かされます。
馬介在療法とは?治療法と効果について
動物介在療法の中でも、馬介在療法は身体や精神に障害がある人に対して、一定の改善効果をもたらすことがわかってきており注目の領域です。馬介在療法はホースセラピーとも呼ばれます。犬や猫と異なり、実際にお世話するだけではなく、乗馬できることがホースセラピーの特徴です。病気やケガ、生まれつきの障害によって体が思ったように動かせない人に対し、乗馬療法を行うことでバランス能力の改善が認められています。 また、乗馬時の振動により脳が刺激を受け、歩行能力の向上が期待できます。
専門学校で動物介在療法を学ぶメリットは?
現状では、動物介在療法を学ぶ機会が設けられている理学療法士・作業療法士の養成校は少ないのが現状です。 その中でも、阪奈中央リハビリテーション専門学校はカリキュラムに馬介在療法が導入されており、学生のうちから動物介在療法に触れることができます。
<メリット1:学生のうちから動物介在療法に触れることができる>
動物介在療法は、医療分野での効果が期待されている一方で、現在も研究が進んでいる発展途中の治療法になります。 病院や介護保健施設などで導入し始めているところもあり、学生のうちから、動物介在療法の知識をつけておくことは、今後のリハビリテーションの幅も広がり、就職先の選択肢も広がることになります。
<メリット2:馬を知ることでヒトの構造や行動が理解できる>
馬と人は哺乳類です。見た目にはまったく違うように見えますが、実は、構造的に似ている部分があるのです。また、馬も人間のように集団で暮らす動物です。馬の集団生活の中にも、子供を怒るといった、人間に似た行動をとることがあります。 馬と人を両方学び、構造や行動の差もしくは共通点を見つけ、その理由を考察することで、より深く人の身体や心のことを理解することに繋がります。
どんなところで動物介在療法は行われているの?
動物介在療法は、施設に動物を連れて訪問する方法と、その施設で動物を飼いアニマルセラピーを実施している場合があります。訪問型では、高齢者施設や学校、病院などにセラピードッグやセラピーホースなどを連れて触れ合う機会を設けます。セラピードッグやセラピーホースを飼い、施設内で動物介在療法を行っているのは、医療機関で多くみられます。 入院が長期になり闘病意欲が落ちた方のフォローや疼痛の軽減などで、活躍しています。
作業療法士の資格取得後、動物介在療法を極めるには
動物介在療法を行うセラピスト養成にむけて、動物介在療法教育・療法学会では養成講座が開かれています。養成講座を修了すると、動物介在療法教育・療法学会から認定を受けることができます。 ご興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
動物介在療法はアニマルセラピーとも呼ばれており、犬や馬などの動物の力を借りて、心身機能の改善が期待できる治療法です。また、中でも馬介在療法では、乗馬することでバランス能力や歩行能力の改善の効果も認められています。バランスや歩行能力などの身体機能の改善は、理学療法士や作業療法士が改善させたい機能のひとつです。動物介在療法の効果を学ぶことはリハビリテーションを行う上で、心身機能の理解の促進や、治療の幅が広がることにも繋がります。 学生のうちから学べる環境を選択することは、自分自身の可能性を広げるきっかけになりそうです。